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デュアルスポーツ現地実走調査

2011年4月2〜3日

香川県 小豆島


2011年3月 今年もDS開催のための現地調査の計画をしておりました。
そしてあの東北太平洋沖地震が起き、日本の東方面は大変な震災被害を被りました。はたしてこんな状況の世の中でこのDSを開催していいものかと悩みました。

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とにかく現地小豆島へ行ってみよう。悩んでないで現場を見てみよう。

そんな気持ちで島に渡ったのですが・・・

いつものように大部港でフェリーを降りるとそこはいつもと同じ6年間変わらぬ島の風景がありました。1年ぶりに再会する島の方々もなんら変わらぬ6年目がありました。開催をうだうだ悩んでいた私の気持ちは一変に晴れに変わり、ここから日本の元気を発信しようという気持ち変わったのであります。

今年で6回目の現地調査です。毎年同じ面子の調査隊メンバー(奥村、福山、毛利)は小豆島の地形はほぼ把握してます。ひょっとして地元の方よりも地形に詳しいかも?です。そして新調査隊メンバーを加えた総勢7名での大調査に踏み切りました。
天候は薄曇り。気温は肌寒く桜のつぼみはまだ固く春まだ遠からずです。
二手に別れ、福山組はいつものコースの調査へ。私は小豆島町役場の農林水産課へ。これは毎年コースの一部に使用しているスカイラインの太陽の丘から粟地ダムへの林道の管理者の方から林道走行についてクレームが付いたために現地確認をする為です。管理人の方は、林道が雨などで荒れるのを防ぐため流れる水を道路外へ導く「水切り」という盛り土がバイクの走行により崩れて毎年補修に相当な労力を必要とする事でした。走行禁止となる前に何らかの対策が必要と農林水産課の方と実際に現場に行き確認をしたところ、全てが崩れている訳ではないのですが放っておくと住民感情等から走行禁止もやむを得ない状況になるのではないかとのことであります。最良の方法は「使ったら元に戻す」が原則であります。しかし、私達が後日現場で復旧作業をする事は困難なため、農林水産課の方と対策を考えた結果、林道管理人の方に補修をお願いしてみてはどうかと言う事になり、後日面談の上相談していただくこととなりました。

福山組からのいつものルートは何の問題もなく走行出来るとの報告を受けひと安心です。

今回は昨年の調査のとき少し気になった地形図上の破線ルート確認です。ひょっとして新ルートになるかも?で現地調査です。

新ルートその1
オリーブコースでふるさと村に帰るルートでほぼ最終になる付近なんですが・・・気になるところが・・・
それは一カ所。民家の軒先(幅約50センチ距離10メートル)を通らなければルート開通しないのです。
そのお宅を訪ねました。出て来られたのは年配の女性の方です。

「ごめん下さい。こんにちわ。」大きな声で3度ほど
「はい、どちら様で」
「あのー、実は今年の5月下旬にこちらの軒先をオートバイで通りたいのですが・・・」おそるおそる尋ねる・・・
「はあ、どれぐらいの方が来られるのですか?」
「はい、100台少しの台数が通るのですが・・・」めっちゃ恐縮しながら断られるのを覚悟しながら・・・
「えっ、ええ〜」
「あっ、ダメですよね。すみません。」やっぱり普通のことではないし・・・

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「いえいえ、いいですよ。賑やかくて楽しみですね」
「えっ、ええええええー!」ほんまかいな
「そのことは悦ちゃんから聞いてましたよ」
「えっ?????」
よくよく話しを聞けば、昨年の調査の時お会いした60代と思われる御婦人の方(昨年現地調査レポートその1参照)の親戚の方だそうな。
「立ち話しもなんですからこちらにお入り下さい」
とお屋敷の中にお招き頂きコーヒーまで御馳走になりました。ほんまにこんなに怪しい(りんちゃんいるし)オッサン調査隊にですよ!
ありがとうございます。お世話になります。ほんまこの島の人達はなんて心が広いんだろう・・・

と言う事で新ルートが繋がりました。
ここで参加者の皆さんにお願いです。ここのお宅の軒先を通過する時は「エンジン停止!下車して押して通って下さい!」ほんの10メートルぐらいですから。

新ルートその2
太陽コースのいつもの果樹園の方々にご挨拶。いつものようにご快諾いただきました。うれしいなぁ・・・
そしてその先、スカイラインに出てちょびっと走った先に山に向って伸びる怪しい道。
砂防ダムの水落ち激ガレ場で終点と思いきやまだまだルートは続く・・・調査隊はノコギリ&ナタを駆使しながらどんどんススム。枝道で迷いイバラにヤラレ顔中ひっかき血だらけになりながらススム。
そして開拓3時間を要して元のスカイラインに出るルートが完成!
注意!このルートは激ガレ&延々登りの薮コギ&イバラの道です。上級者でないと進めません!しかも飲料水2リットル以上絶対必要!勇気ある撤退覚悟!よろしくお願いします。

新ルートその3
一昨年より使用してます超上級者激下りルートが少しだけ延長しました。さらに激下りです。フロントブレーキでリアが浮きます。切り株いっぱいです。
絶対に初級者は進入しないで下さい。一度進入するとバック撤退出来ません。ルートから外れて落ちると車両の回収が不可能になります。腕に覚えの無い方はヤメテ下さい。

今回も新ルートが加わります。ですが今までのルートも全て使用します。それに伴い走破時間が若干ですが伸びると思います。時間と飲料水は余裕を持って走行しましょう。
また、一年の間で倒木や轍、そして崩壊した崖などががかなり増えていますので十分な心構えと体力を持って走行しましょう。ほんと簡単ではありませんから。小豆島の自然をナメないで!!


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ルート開拓を終えて腹ぺこ調査隊が偶然立ち寄った地元の小さな醤油蔵の「ヤマロク醤油」で今までにない食べ物に出会いました。
なんともろみとしょうゆで味付けした焼きそばです。日本全国に焼きそば数々あれどこのしゅうゆ味はここだけのオリジナル。機会があればぜひご賞味を。ほんまうまいです。
そしてこの日のヤマロクさんの地元の方への小さなイベントでは東北太平洋沖地震救援活動をしておられました。
それはなんとこのヤマロク醤油の普段1050円で販売しておられる「鶴醤」を500円で。しかもその売上は全額義援金として送られるそうです。
「うちには売るほど醤油がある。しかも醤油しかない。でもそれは義援物資にはならない。だったらここに来られる皆さんに買いやすく半額で売りそれを義援金にする」
またまたこの小豆島の人達の心意気に感動しました。情けない事に私は目が心がうるうるしてしまいました。ありがとう!小豆島のみなさん。感謝!

今回も関西のヒーロー、われらの希望の星!吉川和宏氏にも参加してもらいます。
コース途中で捕まえて難所セクションの攻略法なんかを問い詰める?なんかもいいでしょう。
そしてFANTIC代理店のスクーデリアラナさんによるルートのどこかで行うゲリラ試乗会もあります。今年は新型のカバレロレゴラリータTZ250ESという2スト車です。
もちろん吉川氏のコーチ付きです。こんな企画、他ではありませんから。

そしてそして、土曜日の夕刻はウエルカムパーティとして豪華賞品抽選会とスタッフの演奏による一発芸大会も行います。腕、喉に自信が無くてもOK!
参加者皆さんで盛り上がりましょう。
土曜日は早めに帰着してゆっくりと小豆島の夜を楽しみましょう。

くどいですがここでいつもの注意事項です。初めて参加される方は必読です。


最後にいつもの重要注意事項です。

必ず守っていただき、いつまでもこの小豆島でデュアルスポーツが開催出来ますように願います。

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上級コースはより以上に、深い轍と崩壊した法面、そして大きな浮き石ガレ場、2メートルからの薮コギ、直径20cmぐらいの倒木丸太越えなどなど決して優しくはなっていません。
したがって、初級者の方は絶対に上級コースには入らないで下さい。 進入してしまうと後退も途中退場も出来ません。そして決して単独での行動はしないで下さい。何人かのグループでの移動をお願いします。また、一人参加の方もどなたかと一緒にお願いします。そこはデュアルスポーツの精神でお互いに助け合いながら進んで下さい。
また、初級からステップUPした方も必ず上級者及び上級コース経験者の伴走またはアドバイスを受けながら走行して下さい。
今回もコースの難易度UPに伴い参加者全員に1リットル以上の飲料水携行を義務付けます。出発前に受付で確認チェックを行います。
最後にバックマーカーとしてオフィシャルが走行します。それ以降はコースクローズになります。また何かしらのトラブルで途中棄権される方はオフィシャル又は大会本部まで必ず連絡を入れて下さい。
勝手に帰られますといつまでも捜索隊が探す事になります。
また指定されたコース以外は絶対に走行しないで下さい。もしもの時の対応が出来ません。

コースは全て公道を使用します。どんな山奥の道であろうとも地元の生活の道であるため必ず対向車が存在します。地元車優先!そして一部には私有地も含まれますので民家の近くは必ず徐行です。
また、コースレイアウトの都合で上級と初級のコースが対面するところがあります。必ずキープレフトを守って下さい。
そして、コースマーカーを見落とさずにゆっくり確認しながら、それこそ小豆島の大自然を十分に堪能しながら進んで下さい。
参加者のルールとマナーがこれからの継続開催への鍵となることをお願いします。


後日、小豆島役場の農林水産課より連絡がありました。
林道管理人さんから連絡があり、こちら側からの条件で承諾が得られたと言う事です。それは管理人さん側で補修をしてもらうという事です。
これは地元の林道を走らせてもらっているという参加者からの意識を高めて頂くこともふまえて「林道使用協力費」という名目で協力をお願いします。それは1人500円という形で当日会場で集めさせていただきます。今回の件は以前から現地では話題(問題)になっていたようです。ですがこういう形ですが和解が出来たという事はこれからも継続開催に向けて希望があると言う事です。御理解よろしくお願いします。


東北太平洋沖地震からも日時が経ち、だんだんと落ち着きが出て来ました。でもそれは決して簡単に忘れてはならない事です。
オフィスアクションとしましても MCF と協力の元、義援活動は続けてまいります。モーターサイクルを愛する者として皆さんのご協力よろしくお願い申し上げます。

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文・写真 奥村善武
写真 福山