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第18回 デュアルスポーツ in 小豆島 レポート

2011年11月12〜11月13日:開催

香川県 小豆島:会場


第18回デュアルスポーツin小豆島

(オフィスアクション)が開催を引き継いで6回目。このとき最大の開催試練を迎えました。

DSの開催時期は毎年5月の下旬と決めております。その理由は、一番天候が安定している。春から初夏にかけての最も新緑の綺麗な季節。モーターサイクルライディングが素晴らしく気持ちのいい期間。などなどとにかくモーターサイクルにとって最高の時間が持てる時なのです。

昨年の大会が今までの中で最高の出来だったことに有頂天になっていた私に天が与えた試練でしょうか、なんとこの時期にはめずらしい台風2号の襲来!しかも小豆島を直撃のルートを取っている。普通の雨ならそれもその年のスパイスと思えるのですが暴風雨となれば話しは別もの。第一に参加者の安全、島ゆえのフェリーの欠航、2日間連続の雨風では苦行ツーリングでしかない。などの状況を踏まえて開催2日前に開催延期を決めることとなりました。
今回はそれこそ言い尽くされた言葉ではあるが、北は北海道南は九州からの参加者があり、すでに会場の小豆島に向けて出発された方もありました。本当にご迷惑をお掛けいたしました。

開催延期に付き参加辞退の告知をしたもののほとんど申告が無い。これは参加者のみなさんの小豆島DSの期待か?それとも1年に1度の開催への要望なのか?やはり2011年も開催をしなくてはならないのかという責任(大事な参加費も預かっているし)をひしひしと感じ延期開催日の検討に入る。いつがいいのだろう?夏になる前?いやいや皆さんのスケジュールが合わないだろう。夏休み?DSでは熱中症の危険がある。ならば秋?そうだ小豆島は紅葉の名所ではあえるまいか!そうだ寒霞渓が真っ赤に染まる紅葉の季節にしょう。そしてそして11月13日に再開催と決定した。

今年の日本は天変地異が続く、3月の東北太平洋沖地震、9月の紀伊半島集中豪雨、小豆島は2度の台風通過。果たして再開催は出来るのだろうか?

開催2週間前の現地調査に小豆島に渡る。10月から続く毎週末の雨!本当に開催出来るのだろうか?またまた季節外れの台風は来ないだろうか?小豆島の山は大丈夫だろうか?そんな不安一杯で心は狭くなる。いやいや主催者がそんな気持ちでどうする。
小豆島DSファンは待っているのだぞ!と自分に言い聞かせ小豆島の山を巡る。やはり2度の台風通過の影響はすざましい。あちこちのルートにはガレと深い轍が出来ている。路肩も崩れている。だが走れない事はない。ヨシ!開催出来るぞ!あとは当日の天候だけだ!


そんな紆余曲折・波瀾万丈を乗り越え開催当日を迎える。開催日変更に伴い参加辞退もありましたが新規応募の方が上回り今までの最高人数の115名がこの小豆島に来島しました。(第13回以降)
一番の心配事の天候は?なんとこの週末だけ晴れ!気温も暑くなく寒くなくの絶好のDS日和となったのであります。「天は我々に味方した」まさにその気分。やっぱりDS小豆島最高!


今回は秋開催となり日没が早い。そのため土曜日の太陽コースはスケジュールが2時間前倒しとなり、大会名物の「はまゆう特製弁当」のご用意が出来ませんでした。楽しみにされていた方にはごめんなさいです。
コースは雨によるぬかるみも無く順調に走れる模様。ただし今までは全員が走れる基本ルートが上級コースに変更になっています。いまやこのDSには無くてはならない名物セクションになった三島半島の通称「亀岩ルート」も日没時間の関係から早期閉鎖とさせていただきました。時間切れで走行出来なかった方には大変申し訳ありませんでした。次回はもう少し時間を取って存分に楽しんでもらう事をします。約束です。
基本ルートには民家の軒先から別荘地へ抜ける新規ルートをご用意しましたがいかがでしたでしょうか?民家のすぐ横を通る「エンジン停止下車して50メートル押して進む区間」ではご協力ありがとうございました。また次回も使わせてもらえそうです。
この日は16時過ぎには全員帰着。この報告が一番ほっとする瞬間であります。


そしてこれも恒例となりつつある「ウエルカムパーティと言う名のスタッフの歌いたがりの出しゃばり宴会」です。今年はちょっと地味〜にしましたが、俺や私に歌わせろ組が増えてますよね。やっぱりこれも続けなきゃならいですね。HARiだけでなくもっと歌いたがりの芸達者はスタッフを連れてこよう。やっぱり虫も酔っぱらいも集まる夜宴会は初夏がいいですよね。

明けて2日目日曜日はオリーブコース。そしてこの日も晴れ!やっぱり最高!
いつもの果樹園からの登り基本コースは轍が深くなり下りのループコースとなりました。表示が不十分だったのか何回もぐるぐる回られた方がおられたとか・・・改善の余地ありでした。
そしての新上級コースの枯れ沢渡りセクションですが、最後尾から私が追いついた時点で50台以上の大渋滞!通過に時間が掛かるので迂回ルートをお進めしてそちらに廻られた方もおられます。
現場では一発クリア通過が出来ないライダーをみんなで助け合い。これがデュアルスポーツなんですよ。いろんなアドバイスやガンバレコールの中、全員が通過したのは約1時間後でありました。楽しかったでしょ。
ちなみに最後の方は沢のエッジが削れて随分とクリアしやすくなりましたよ。
今回の上級ルートはかなり激しく難しくなっており基本コースに廻られた方も多数でした。そんな中でのコメントが「今まで上級ばかりでしたけどコッチのルートも結構楽しめますね。いやぁ小豆島を見直しましたよ」なんてのを頂きました。
そうなんです、小豆島DSはまだまだ奥が深いのですよ。上級ルートで進まれた方、かなり荒れていてしんどかったでしょ。次は基本コースで楽しみましょう。オススメです。

帰着してからのお楽しみそうめんなんですが、秋という事もありあたたかいのを考えてましたが当日は気温が20度近くもあって基本のつめたいそうめんにしました。暖めるとどうしてもそうめんのコシがなくなるのですね。これ、やっぱりそうめんは冷やが最高!

そしてそして14時には全員帰着!今回は参加者の地域も幅広かったのですが年齢もすごい!17歳の地元ライダーから72歳の熟練ライダーまで!やっぱりこれもデュアルスポーツだからこそなんですね。オフバイクFUN最高!
残念だった事、それは紅葉がいまひとつ鮮やかでなかった事。これは11月の気温が高かったのが原因かも?

本当にわたし的にとってもヤキモキした18DS小豆島でした。もう考えれば考える程心配だらけで落ち込むことが半年続きました。
でも開催して終わってみればやっぱりDS小豆島最高!になってしまうのですね。だめだな〜こんなんぢゃまた来年開催しなくちゃならないですか。
参加者の皆さんが帰って行く時の声掛けが「また半年後によろしくねー」なんですね。えっ?半年後?そうなんです次回開催までアト6ヶ月なんですよねー冬の間は台風が来ないから心配しなくていいのですねー

なんだか元気が出て来ました。なんだ6ヶ月後か。ほんとすぐですよねまた皆さんの笑顔にお会い出来るのは。がんばろう!  2012年第19回もよろしくです!


最後に
神戸行きフェリーが坂出港を出港するとき岸壁にDT50のライダーが!そして腕がちぎれんばかりに振っている!確か彼は今回初参加してくれた小豆島町在住の17歳の地元ライダーではないか!
きっと仲間の見送りに来たのだろうだが、私にはこの小豆島DSを愛するライダー全員に送っているエールに思えて思わず涙ぐんでしまった。
「また来いよー」
「ああ、絶対にまた来るからー」
本当に小豆島はDSにとってパラダイスなんだな。桃源郷なのかな。そんなことを考えながら黄昏れながらフェリーのデッキで小さくなって行く小豆島を見てたらまた涙ぐんでしまった。    ああ、幸せだなぁ・・・


小豆島ぜーんぶにありがとう!小豆島みーんなにありがとう!小豆島最高ー!!!

参加者の皆さんも気分は最高!

From HARi チャン
小豆島と聞いて何を思い浮かべるか。
僕の場合は、

デュアルスポーツ、
素麺、
オリーブ、
ショウユ、
二十四の瞳、
そしてふりそそぐ陽光。

で、イベントそのものは当然として、下見を含め年二回訪島しているスタッフには、それら小豆島の小豆島たるあれやこれやに縁が薄い(スタッフには素麺など出ない)。
それがスタッフのスタッフたる所以、我慢せい。と主催者だいまおーに言われても、XR200を駆るコーススタッフ、もーりさんとコース造りの最中にそうめんを食べに抜け出し、ついでに食後のオリーブコーヒーを飲み、あとでだいまおーに領収書を差し出すだけだから、まあいい。

醤油も、知る人ぞ知る、知ってる人しかマッタク知らない、大好きなヤマロク醤油の「鶴醤」の備蓄がまだ冷蔵庫にあるからまあいい。
二十四の瞳も、挙げておきつつ実は興味がないから、それもいい。
それよりそれより、小豆島のダイジなダイジな「輝ける太陽」は何処へ行ってしまったのだ!!

表面の薄青い苔が雨で濡れ、ヒトの足で立つ事すら出来ない程つんつるてんになった亀岩から愛車ゴコイチXLR号もろともずり落ちた僕は、重いコースマーカーのザックを背中に背負いつつ、唸るしか術がなかった。
さっきまで合羽の下で濡れそぼる体をガタガタと震わせていたかと思うと、山中ではその暑さに熱気を含み、湯気を立てつつまったくどうしてふらふらな足取りでコーステープを木に巻きつける。

思い起こせば6月某日、台風上陸直前までコース造りをしていたときもそうだった。
「きっと参加者の誰かに、ものすげー行いの悪いヒトがいるに違いない!」
そんな疑念を抱きつつ、あわよくば行いの疑わしいライダーを見つけ出してヒトコト言ってやろうと憤って迎えた土曜日・・・

晴れたネ・・・


朝、コースクリアに出る。
昨日までの合羽を脱ぎ、朝日を浴びながら存分に風を受けながら走る軽快なワインディング。
体の芯の湿気までが吹き飛ばされるようだ。
寒霞渓に向かってどんどん登ると、上のほうでは遅生りの紅葉が揺れている。
そろそろ参加者はスタートし始めただろうか。
まだ少し湿ったガレの下りを一気に駆け下り、舗装路に出るとホッと気持ちが緩むのと同時に気温がずいぶん上がっていることに気付く。
そのまま海岸道路に出ると、風が潮のにおいをメットの中まで運んできた。
半島の上級コースに入ると、てっきり朝露に濡れていると思っていた笹が、カサカサと音を立てるほどに乾いている。
トラクションもまずまずだ。
亀岩や二段岩もしっかり乾いていてぐいぐい進む。
昨日までのヒトを寄せ付けぬ、あの山の形相は一体何だったのだろう。

さらに半島を南下し、幾重ものつづらを登ると小さな集落が現れる。
そして一瞬、古い民家で行き止まりのように見えてしまうその小道に、実はその綺麗な焼き杉板の壁の向こうに狭い曲がり角がある。

プレランの時には昔ながらの、かがんでやっと入ることの出来る低い木戸から挨拶にお邪魔し、お母さんにコーヒーの御持て成しを頂いたんだっけ。

石が積まれただけのその素朴な塀づたいにバイクを押し、再びエンジンを掛ける頃には行く手の登り道が木立の中を突き抜けているのが見える。
今まで走ってきたコースの様相とは少し違い、どこか安らぐダートは別荘地へと出ることで空が明るく広がって行く。

広く、フラットだったダートは出口に向かうにつれ大雨で流され、石が露出して走りにくくなるが、ほんの少しの辛抱。
もうすぐ舗装道に出る筈だ。

会場に戻ると参加者はもうみんなスタートしていて、がらんとしている。

休憩したら僕はクルマで舗装路のみ、他のバイクスタッフは全コースをもう一周だ。

とっぷり日が傾きクルマにマーカーやコーステープを満載して帰ってくると、会場の空気はどこか気だるく優しい。この雰囲気が好きである。

皆があまりに楽しそうだったので、夜は参加者のキャンプへとお邪魔してみる。

乾杯。
酒。
肉。
今日一日、コース中であったこと。
酒。
魚。
古い付き合い同士の昔話。
酒。
♪。
酒。

そんな夜。


朝。
ほんのりと明るくなって来た会場はまだシンとしている。
こちらに背を向けたトランポ達の扉はどれも閉じられていて人影もなく、本当にこの場所にあれだけの人が居たのか、昨日の喧騒が信じられない程の静寂である。

2日目のコースクリアに出ると、海の向こうに力強く陽が昇るのが見えた。
かっ飛ばして上級の下りコースを試走していると丈夫なツルがクビに絡まり、下り斜面での首吊り状態なので身動きが取れずTS125の当日スタッフ、シゲさんに撤去してもらった。
かの大雨で流れ、すっかり様子が変わってしまったガレの下りでは、所々押しながら慎重に進む。
こういう場所で、参加者達がどんな風に遊び悶えるか、見ることが出来ないことが残念に思う。
ライダーは修羅場を乗り越えた達成感を勝ち取って行くのか、疲労と痛みだけを引きずって帰るのか。
ひたすら想像するしかない。

何度走ったか数えられないほど走ったルートなのに、ガレを越え、舗装に出るとホッとする。

晴れた日の長い下り路はクラッチを切って、ブロックタイヤがアスファルトを叩く音、ヘルメットが風を切って行く音を聞きながら下る。なんとなく、いつも。

会場でクルマに乗り換え、助手席にスタッフ、ウーさんを乗せて最後のマーカー回収へ。
コース整備の時、ルート上の邪魔な枝を鉈で払う際に自分の手を深く切ってしまい、何針も縫ったウーさんに運転席から、
「ほらソコ、」
「そこにも。」
と容赦なくコキ使いながら、手際よくマーカーを外して行く。

帰り道、半島のむこうに日が落ちていくのが見え、思わずクルマを止めみんなで眺める。
大きな太陽が下りていく。
参加者はフェリーで夕日を見ているのかな。
とにかくイベントの間晴れてよかったな。
あ・・・?

準備からイベント最後まで居たそのスタッフ達を横目で確かめる。
うむ。たしかに皆、常日頃行い良からず、といった感がある。
オレンジ色に照らされたスタッフ達の無垢な微笑みを眺めながら、僕は一人苦笑い。


小豆島と聞いて何を思い浮かべるか。

デュアルスポーツ、
素麺、
オリーブ、
ショウユ、
二十四の瞳、
イベントを照らす陽光、

そしてスタッフにだけ降り注ぐ雨。

今回、初めて林道修復費を徴収させていたさきました

これは地元の山林地権者(林道管理組合)の方からの申し出が小豆島町農林水産課にありました。
以前から多数のモーターサイクルが走行する事について問題提議があり、林道の「水切り」の修復に費用が掛かるとのことで協力をさせていただきました。
農林水産課さまの仲介により2万円という形で事前協議が出来ましたが、当日の天候等により修復の程度がわからないため余裕を持って一律¥500という金額をを徴収させて頂きました(任意で)
当日の徴収では@500×98名の¥49,000という金額を預かっております。後日の追加補修金の申し出も今のところありません。したがしまして残額は次回の為の積立基金とさせていただきます。

ご協力ありがとうございました。



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文・写真 奥村善武