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2015 6(ROKU)フェステイバル in プラザ阪下
レポート

2015年8月30日:開催

大阪府 プラザ阪下:会場




今年もまたまたやって来ました「6フェス」です。そしてやっぱり雨が降りました。それも最初から最後までずっと。
日本全国ドロンコ耐久レースFUNのみなさまお疲れさまでした。なんだかんだで始まったこの6時間耐久レースも7回目になりました。 しかも今回は参加者の顔ぶれがすごいのです。

関西圏外からも、日本を代表するAクラスライダーも、おぢいちゃんと孫チームも、バリバリキッズMXチームも、海外レースと間違えたアフリカツインも、コンビニに行くつもりが方向音痴で阪下のコースを6時間もさまよったビーノも。みんながみんなドロンコ笑顔でがんばったサンデーレース、それがロクフェスです。

さてさてロクフェスの魅力は前日からの前夜祭です。そしてこれがメインの参加者やスタッフもいるのです。もちろん呑めや歌えやの歌う方なんですがあいにくの雨模様にあえなく中止となり(メインボーカルのけんけんが欠席)呑めや飲めやの酒池肉林大宴会となったのでありました。 夜が空けての当日はとても夏の終りらしくない朝からの雨でした。でもそんな憂鬱な気持ちもなんのその、会場はゆるーく明るく時間が過ぎて行きます。

そんなんでタイムスケジュールが押していまいブリーフィングが終わって早々にタイムアタックが始まります。 そんなタイムアタックの模様はMCおやぢちゃんが紹介してくれます。

レースよりも前夜祭にかけていたオイラを含む前足バンド。これさえやれれば翌日のレースなんてどうでもy(略
)
そんな前夜祭が雨でできずでもう帰ってしまおうかと本気で悩んだもののたくさん集まっていただいた皆さんのために日曜日もがんばることを決意しました。事前に仕込んだネタの反応にドキドキしながら。

で、はじまった朝のタイムアタック。
今年は規定された時間内なら好きなときに好きなだけどのライダーでもアタックできるようにしました。1周も短くして。
そしたら若いのが走りまくりすぎてもう・・・

期待のNA#25下村里駆と前日土曜日にSUGOで全日本MXを終えてダッシュで帰ってきた#42川上龍司の2人が延々と走り続けます。
きみたち、これから6時間走るってコトわかってる?と止めて聞きたいくらい。若いってすごいですねー。

じわじわとタイムを刻んでいく中#25下村が1:35.767を叩き出して41分経過時点でアタックを終える。このタイムを更新したのが#42川上。タイムは1:33.795。 

残り15分、ここでゲストの鈴木健二が登場。彼のタイムを上回った選手に何かイイモノをプレゼントしようと(何をプレゼントするかは全く考えていませんでした笑)いう企画で走っていただきました。
なんとなんと、ワンアタックオンリーで1:30.247という脅威のタイム。さあ、だれがこのタイムを超えてくるのか。

直後に#42川上がタイム更新、1:33.795でトップに立つが鈴木健二のタイムには及ばない。

以降、#3辻谷・#12丹羽がタイムを更新するものの川上には届かずそれぞれ2位、3位となりタイムアップ。


鈴木健二のタイムには届かなかったものの、60チームの頂点は川上龍司が取る。

そしてそのタイムアタックの成績をどうするか?と言えば…

皆さんお気づきでしたか?
オフィスアクションのウェブサイトにも、エントリー用紙にも、プログラムにも、スタッフのツイッターやフェイスブックにも「予選」という言葉が無かったことを。

そう、タイムアタックはあくまでタイムアタック大会だったのです。これがひとつめの仕込み。 しかし、ちょっと気弱なわたしたち、このままゼッケン順で並ばせると本気で怒ってしまう人が出てくるかもしれないw  なのでグリッドだけは予選の結果順に整列していただくことにしました。

でも、それだけじゃ終わらない。 スタートはライダーズミーティングで発表したとおりアイアンマンはルマン式。その他の方法は4つの選択肢の中からスタート直前に決めるという方式です。

 4つの方式とは
・ルマン式(いつもどおりの方法)
・ヘルメットタッチ(JNCCさんやハッピーファンさんと同じ。)
・テンセカンズ(JNCCさんのAAクラスと同じスタート方法。スタートの合図でエンジン始動、スタート。)
・じゃんけん(勝つまでスタートできません。)

という候補。

スタート直前、どの方法になっても何の影響も無いアイアンマンの東本選手にくじを引いてもらいました。







結果。。。。。










「じゃんけん!」


恨むなら東本選手を、と言いましたがくじの中身は全部じゃんけんでしたすみませんすみません笑  これが仕込みその2。


いよいよスタートです。 アイアンマンはマジメにルマン式でスタート。そして関西初(?)のじゃんけん式スタート。

いつも表彰式後に行なわれるじゃんけん大会とは全く別物の空気感。負け続けて本気でヘタり込んでいくライダーの姿をオイラは忘れません。というかそれが見たかったのです!



タイムアタックを予選にしなかった理由、お分かりいただけましたでしょうか?お祭りですから!


と言う訳で全員がスタートしたのは予定より50分遅れとなりました。

ゆるーい気持ちがこうなりました。スミマセン以後こういう事のないように時間管理に気を付けます。 そんなスタートが終わってホットするのも束の間、アイアンマンクラスはかなり気合いの入った選手ばかりです。このクラスだけは別世界で闘っているような空気が漂います。
早々に大転倒で怪我人が1名ありました。少しペースダウンしましょう。ゴールは6時間先ですから。

メインの6時間レースと同時進行で、今が旬のヤマハYZ250X&FXの大試乗会が鈴木健二さんの協力の元に開催です。試乗された皆さん如何だったでしょうか?なんだか次回のロクフェスは青いバイクで埋め尽くされそうですね。ご協力ありがとうございました。


スタートしました6時間レースですが冒頭に紹介したように今回はライダーが濃過ぎですよねー。いじるネタはこれもあり過ぎ!しゃべりまくりのMCおやぢちゃん。ここでは書きまくって下さい。では6時間レースのレポート開始ですー。


スタート→1時間

序盤からいろいろあります。
オープニングラップ、2台がなかなか帰ってこない。
1台はマーシャルからの無線で発覚。アイアンマン高田、下りで転倒し骨折。。。。。もう一台はアフリカツインの高橋。マシントラブルで修理中とのこと。。。。。今年はなんだか大変そうな気がする。

レース序盤を引っ張るのは#12丹羽。#25下村・#42川上を押さえます。若いのには負けん!そう言いたかったのでしょうか。しかし3周目には抑えていた2台に交わされて3位に後退。一気に離されてしまう。
前に出た#25下村・#42川上の2台は先行体勢に。3番手以降を大きく引き離しにかかる。
30分経過時点ではトップ下村が3位の#12丹羽に50秒の差をつけていた。川上はまだ下村の10秒後ろについている。

4st150ccと2st85cc、そのペースで6時間持つのかどうか・・・

後方ではじゃんけんスタート組のトップ、JNCC-AA西森裕一を要する#111チーム前田製作が先行のアイアンマンをどんどんかわして上がってくる。スタートは17番手だったのが1時間経過時点で総合5位にまで順位を上げてきた。

そして勝たんとハズカシイ、そういわれていた#117ボッチと愉快な仲間たちの野口吉川矢野組(以下#117ボッチ)はじゃんけん勝てず総合50位からのスタート。これは・・・と思われたがなんと最初の1時間で34台抜き。16位まで上がってくる。


STANDING AFTER 1 HOUR(12LAPS)
POS No 名前 タイム差 平均時速
1 25 下村 里駆 56:06.689 36.97
2 42 川上 龍司 +01:32.338 37.45
3 12 丹羽 洋介 +02:12.779 37.14
4 111 前田・熊平・西森 +03:55.224 33.83
5 3 辻谷 和伸 +04:17.492 35.70
6 21 田口 泰宏   +05:35.229 35.08
7 9 久保 悟朗 +07:11.902 34.89
8 105 種谷・山口・真田 +07:16.189 29.30
9 15 伊藤 英明 +07:39.426 33.32
10 8 静間 健次 +07:40.644 32.88



1時間→2時間

上位陣には目立った動きは見られず早くも小康状態。その間に#117ボッチが引き続きモーレツな追い上げ。74分、14周目にはとうとうトップ10に入ってきた。まずはクラストップ、AA西森を擁する#111チーム前田製作を追う。
#117ボッチはこの時間帯矢野のスティント。前田製作よりも2分近く早いタイムを出し続けて追いかける。16周目には15秒差にまで詰め寄り、17周目にクラストップ、総合7位に躍り出た。その後も飛ばす飛ばす。トップの#25下村が4分50秒前後で走っているのに対して#117ボッチは4分30秒を切るタイムを連発、このあとさらに2台を交わして総合4位で2時間を迎える。トップの#25下村は独走中。4位以下が周回遅れになるというハイペース。

※スティント・・・直訳すれば区切り、割り当てという意味で、モータースポーツにおいてはスタートからピットインまで、ピットアウトから次のピットインまでを指します。耐久レースの場合、各選手が1回で受け持つ時間(周回数)を指して言うことが多いです。ロクフェスの場合、1時間交代なら6スティント。

STANDING AFTER 2 HOURS(25LAPS)
POS No 名前 タイム差
1 25 下村 里駆 1:59:51.243
2 42 川上 龍司 +01:26.345
3 12 丹羽 洋介 +02:10.855
4 117 野口・吉川・矢野 +1LAP
5 3 辻谷 和伸 +1LAP
6 21 田口 泰宏 +2LAPS
7 15 伊藤 英明 +2LAPS
8 83 近藤・新田 +2LAPS
9 9 久保 悟朗 +2LAPS
10 103 山岡・高木・山岡 +3LAPS


2時間→3時間
2時間30分までは上位陣に動きなく淡々と進んでいる。上位4台はラップタイムもほぼ同じで間隔は開かず、縮まらず。しかし、動きは突然にやってきた。32周目、ピットインがあったためかトップ#25下村が遅れ、代わって#42川上がトップへ。33周目には3番手の#12丹羽にも抜かれ3番手に後退。巻き返しなるのか。さらに35周目、#42川上ピットインの間に#12丹羽がトップに浮上。3番手の#25下村は前2台のペースについていけずじわじわ離されていく。

STANDING AFTER 3 HOURS(38LAPS)
POS No 名前 タイム差 平均時速
1 12 丹羽 洋介 3:06:19.940 34.33
2 42 川上 龍司 +00:20.636 34.47
3 25 下村 里駆 +02:56.787 32.89
4 117 野口・吉川・矢野 +03:55.005 36.68
5 3 辻谷 和伸 +1LAP 33.45
6 21 田口 泰宏 +2LAPS 31.57
7 83 近藤・新田 +3LAPS 33.48
8 111 前田・熊平・西森 +3LAPS 25.84
9 9 久保 悟朗 +3LAPS 32.27
10 15 伊藤 英明 +3LAPS 32.04



3時間→4時間
ここで新たな仕込、助っ人ライダーの乱入を発動します。事前に希望を出していただいていたチームの中から審査のうえ#102チームOK牧場+RT168女子部に鈴木健二選手が加わり1スティント走ってくれることになりました。

レース前に2〜3周くらいかな、という打ち合わせをしていたのですがチームがピットインを認めません(笑)ふたを開ければなんとナンと9周も走ってくれたとか。おかげでこのチーム、クラス14位から9位へ、総合でも38位から27位へとジャンプアップに成功。
赤いバイクに乗る青い助っ人、めずらしいもの見せていただきました。

一方トップ争いはと言いますと、39周目にトップ丹羽が#42川上に抜かれ脱落。追いすがりたいところだがじわじわと離されていく。
40周目には3番手の#25下村が#117ボッチにかわされる。この後下村はペースが上がらずトップ丹羽に周回遅れにされてしまう。
3位に上がった#117ボッチと愉快な仲間たち、39周目に予定外のピット作業が発生してしまう。なんとリアタイヤを使い切ってしまっていたためにあわてて交換。矢野カズトのハイペースな追い上げによるものとチームが判断。それ以降、チームから矢野に出された指令は平たく言うと「がんばるな」だったそうな。

その後、45周目には#42川上ピットインの隙に#12丹羽が再びトップを奪取。50秒の貯金を作る。
しかしピットアウト後の2ラップ、川上の方が10秒ほどラップタイムが速く、どこまで丹羽が逃げられるかが焦点になってきた。

STANDING AFTER 4 HOURS(48LAPS)
POS No 名前 タイム差 平均時速
1 12 丹羽 洋介 4:01:20.616 33.18
2 42 川上 龍司 +00:13.348 33.4
3 117 野口・吉川・矢野 +03:43.029 32.77
4 25 下村 里駆 +1LAP 29.11
5 3 辻谷 和伸 +2LAP 30.24
6 21 田口 泰宏 +2LAP 30.5
7 83 近藤・新田 +3LAP 30.39
8 9 久保 悟朗 +4LAP 30.84
9 103 山岡・高木・山岡 +5LAP 29.86
10 111 前田・熊平・西森 +5LAP 33.25



4時間→5時間
50周を超えてくるこの時間帯、全体的にラップタイムが落ちてきました。特にアイアンマンクラスの落ち方が大きく、4分台は出なくなりました。その中気を吐き続けているのが総合3位の#117ボッチ。唯一の4分台を連発、どんどん上位を追い詰めていく。上位陣に順位の変動が出てきたのは53周目。丹羽がピットに入っていたと思われるタイミングで#42川上と#117ボッチが前に出る。#12丹羽は3位へ。
56周目、トップ#42川上、ピットに入ったもよう。この隙に#117ボッチがトップへ。#12丹羽も続いて2番手に浮上。川上は丹羽の真後ろでコースに戻った。
5時間近く走って15秒の中に3台という大接戦のトップ争い、58周目にはまた入れ替わる。川上がトップ、丹羽、ボッチという順番に入れ替わる。このあと大波乱のクライマックスへとレースは向かいます。


STANDING AFTER 5 HOURS(59LAPS)
POS No 名前 タイム差 平均時速
1 42 川上 龍司 4:59:54.075 35.96
2 117 野口・吉川・矢野 +00:19.649 36.41
3 12 丹羽 洋介 +00:38.010 32.86
4 25 下村 里駆 +3LAPS 20.68
5 3 辻谷 和伸 +3LAPS 32.19
6 21 田口 泰宏 +4LAPS 31.32
7 83 近藤・新田 +4LAPS 33.33
8 9 久保 悟朗 +5LAPS 31.69
9 111 前田・熊平・西森 +5LAPS 28.84
10 103 山岡・高木・山岡 +6LAPS 31.42



5時間→ゴール
トップと同一周回は3台。4位は3周遅れという今年のロクフェス。
最後の1時間にスタッフの誰も仕込んでいないまさかの展開がおきました。

5時間10分、61周目に#117ボッチが#42川上をパス。スパートをかけるのか、というところ。#12丹羽は1分ほど前の2台に離されてしまい総合トップ争いから脱落。
ちょうどそのころ、レース前半を引っ張り、終盤は4位を走行していた#25下村がリタイヤ。。。代わって#3ミスターロクフェス辻谷が上がってきた。

トップに立った#117ボッチ、ここに来てまだ4分台を叩き出す。IAとAAとA。本気チームは最後まで手を抜かない。このまま徐々に差を広げていく。残り15分というところで最後の波乱が起きる。

#42川上、67周目にマシンが最後まで持たず無念のリタイヤ。前日に菅生で表彰台に立ち、キャノンボールで戻ってきてロクフェス。この体力、ハンパない。ここまで走り続けた川上選手と菅生からロクフェススタートに間に合うようにキャノンボールで運転して帰ってきた彼のお父さんに敬意を表したいと思います。

そしてレースは#117ボッチと愉快な仲間たちの野口・吉川・矢野組が全車周回遅れにして今年のロクフェスウィナーとなった。
アイアンマンのトップは#12丹羽。#3辻谷の5連覇を阻止、来年からは固定ゼッケン7番をつけて走っていただくことになる。



【リザルトはこちらから】


ロクフェス名物となりつつある感の雨の耐久レースでした。

終わってみれば悲喜こもごも。やっぱり6時間はおもしろい。コースは単純なのに何かが潜む阪下モギコース恐るべし。

しかしゴール後のライダーはみんな笑っている。こんなレースはこれからも続けなければならない使命感みたいなのを実行委員会は感じております。さあ次回に向けてナニを仕掛けてやろうかとわくわくしてます。

表彰式は関西名物イケメン男の独壇場になるかと思いきや、私に仕掛けられたサプライズ還暦祝いで面白いところを頂きました。折角優勝したのにごめんなさいです。でもおもろい表彰式ですねー。淡々と進むセレモニーなんかよりずっと記憶に残ります。


次回8回目はきっと晴れますね。そして連戦が止まった辻谷選手の返り咲きかまたまたのニューヒーローの登場か?一年後が待ち切れないアイアンマンクラスとゆるーくてある意味真剣なツインズ、3人衆、4人組クラス。そして冗談とは思えないモペットクラス。このモペットクラスには私もエントリーしてみたいと思います。だってだんだんと私の居場所が少なくなって来てるのですからー。

それがこれからのアクションレースイベントの発展だと思います。皆さんよろしくお願いします。

還暦で引退して選手に戻ろうかな?いやいや怪我の元なのでモペットまでにしておこう。もうちょっとアクションの代表で居させて下さい。夜露詩句!

次回のアクションレースイベントは10月4日「マキシスカップ」第3戦プラザ阪下です。いよいよ各クラス年間チャンピオンが決まります。乞うご期待! エントリーもよろしくです。


追記 今回雨の気温低下で熱中症の方は居られませんでした。しかし雨でも湿度は高いので要注意です。 アイアンマンの怪我の方は右腕上腕の骨折でした。体力に自信ありの日本防衛隊の元戦車隊長の筋肉マンですがちょっとした油断で大怪我となります。無理なライデングは禁物です。これも要注意!



尚、ライブレポートは臨場感を出すためにあえて丁寧語は使っていません。

        

文 奥村善武・川辺浩和
写真 奥村善武・モーターサイクルショップニュートン